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令和2年4月1日より配偶者居住権が施行となってから3年が経過しました。
このいわゆる配偶者居住権が創設された発端は平成25年9月4日の最高裁決定により非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分の1/2であるという民法の規定が違憲であるという判断が下されたことによります。
この判断により例えば相続人が被相続人の配偶者と前妻の子のみだった場合、配偶者が今まで住んでいた自宅を相続できず、自宅を手放さざるを得ないという事態が想定され、このような事態を回避させるために仮に配偶者以外のものが配偶者の住んでいた自宅を相続したとしてもその自宅に今まで通り住み続けることのできるように民法を改正する必要に迫られ、約40年ぶりの改正につながったわけです。
この民法改正により相続税法もその取扱いを規定したことにより、当初民法上想定された趣旨以外に「相続税の節税目的」としての配偶者居住権の設定が可能となりました。
そうなると相続税の申告業務にあたり我々税理士は節税スキームのオプションのひとつとして、この配偶者居住権を設定するか否かの検証なく申告してしまうことはかなり危険な状態であると言えるようになりました。
具体的には、建物につく「配偶者居住権」と土地につく「敷地利用権」はその配偶者の死亡後には相続財産に含まれないことから、配偶者固有の財産の有無だとか配偶者と同居している子の有無だとかをその事例ごとに検証し、配偶者の子が同居している場合などは1次相続の段階で子が自宅を相続することにより小規模宅地の特例を利用でき、配偶者には配偶者居住権を設定することにより次の2次相続まで通算すると最終的には納税額が配偶者居住権を設定しない場合と比べ少なく抑えられる可能性がでてくるということです。
ただし、この配偶者居住権には民法上譲渡が禁止されていたり配偶者が配偶者居住権を放棄すること等によりその権利が消滅してしまうと土地建物の所有者である子に「みなし贈与」がかかるといったりリスクを事前に理解した上で最終的に判断しないと後にトラブルのもととなることもありますので、十分に注意が必要です。
いずれにせよ配偶者居住権による相続税の節税を視野に入れる場合はシミュレーションが命です。検討してみたいという方は税理士法人優和まで是非ご相談頂ければと思います。
埼玉本部 菅 琢嗣
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令和5年度の税制改正で相続時精算課税制度の改正が行われました。今までは使い勝手が悪く利用率が低迷していましたが、改正によって改善されています。
現状は相続時精算課税制度を選択すると贈与の都度申告が必要でしたが、年間110万円以下の場合には申告が不要となりました。
改正前においては相続時精算課税適用後のすべての贈与財産が、相続時に相続財産として課税されましたが、改正後は基礎控除分(年間110万円)を相続財産に加算しなくてよくなりました。
相続時精算課税制度の110万円控除と暦年贈与の基礎控除110万円は別枠となりますので、相続時精算課税制度を適用した贈与者以外からの贈与では暦年課税が適用可能です。
有利な改正となり使いやすくはなりましたが、ベストな選択になるかはご自身の財産状況によっても異なってくるので、よく検討が必要です。
興味・質問等ございましたら、ぜひ税理士法人優和までご相談ください。
東京本部 有本
◆ネットジャーナル
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機械受注統計調査報告
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TOC(制約理論)による最適経営
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令和5年度税制改正により電子帳簿保存制度の見直しがされました。見直しの内容はいくつかありますが、皆様方が関心が高いと思われる事項をご紹介いたします。
まず、「電子取引情報の検索要件の見直し」です。改正前では税務調査時にダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合、必要とされていた検索要件ですが、以下のように緩和(不要と)されました。
上記事業者は、改ざん防止措置(取扱規定等)は必要ですが、電子データを検索できる 状態にして保存する必要はなくなりました。(②の事業者は紙の保存は必要です)
次に、「新たな猶予措置」が創設されました。税務署長が相当な理由があると認める場合、以下の事業者は電子データを保存した上で紙の保存が認められました。
上記事業者は、改ざん防止措置と検索要件も不要となります。
具体的な適用事例などは今後公表されるものと思われますが、いずれにせよ電子データの保存はすべての場合においても必須ですので、今のうちに保存方法について再検討いただくといいかと思います。
法律上要請される電子データの保存ですが、これをきっかけに会計業務の効率化まで検討いただくのが本来の趣旨かと思います。効率化に興味がございましたら、是非、税理士法人優和までご相談いただければと思います。
東京本部 木村