令和6年度税制改正における法人税関係の改正では、賃上げ促進税制の大幅な見直しが行われます。
大企業向け賃上げ税制の見直しや、中堅企業(従業員2,000人以下)向け賃上げ促進税制の創設等がありますが、ここでは、主に中小企業向けの改正点である5年間の繰越控除の容認等について述べていきたいと思います。
(1)中小企業向け賃上げ税制
資本金1億以下の中小企業向け賃上げ税制については、原則の税額控除率15%は維持したうえで、新たにプラチナくるみん認定若しくはプラチナえるぼし認定を受けている場合の上乗せ措置が創設されます。(プラチナくるみん認定及びプラチナえるぼし認定に関しては、厚生労働省のホームページを参照して下さい。)
それにより、上乗せ措置の適用による税額控除率は、最大45%(現行40%)になります。
また、控除限度超過額の5年間の繰越ができる繰越税額控除制度が新たに創設されました。
この制度は、適用年度において赤字で法人税額がない場合や、税額控除限度額が控除上限額(当期法人税額の20%)を超える場合等に適用できる制度であります。ただし、繰越税額控除制度を適用できる要件は、繰越税額控除をする事業年度は、繰越税額控除をする事業年度に、雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額を超える場合に限られます。
ここでは、紙面の都合上詳細な適用要件等は割愛させていただきすが、税額控除限度額制度が設けられたことにより、赤字の企業でも次年度以降この控除が受けられることが出来るのが、大きな改正点です。
詳しい適用要件等は、税理士法人優和までお尋ねください。
東京本部 佐藤