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個人住民税の仕組みと所得税との相違点

 住民税は、地域の行政サービスに充当する目的でその地域に住む住民に課税されており、その年の1月1日現在に
市町村(都道府県)に住所を有する納税義務者が市町村に納税する仕組みとなっています。この住民税には、
均等割、所得割、株式等譲渡所得割があります(ここでは、定額減税及び株式等譲渡所得割については省略します)。

 均等割は、非課税限度額を上回る人に定額で課され、2024年度の標準税率は、道府県民税、市町村民税に
国税の森林環境税1,000円を併せた計5,000円が徴収されています。ただし実際の税率は、各道府県や市区町村が
定める条例によって決められるため、地方公共団体によって差が生じることがあります。

 これに対して所得割は、納税義務者の所得金額に応じた税額を負担するため、この点で所得税と似ていますが、
超過累進税率が適用される所得税とは異なり、住民税は一律10%の税率が適用されています。

 また、1カ所から給与の支払いを受ける給与所得者で、給与以外の所得の合計額が20万円以下の場合であれば
所得税の確定申告は不要となりますが、住民税は原則として不要とならないなどの相違点もあります。
なお、住民税の計算の流れは所得税の計算の流れと大差はありませんが、均等割が別途生じ、所得割の税率が
10%である点に加え、所得控除と税額控除についても所得税との相違点があります。例えば、年収から
給与所得控除額を控除した課税標準の金額が48万円以下であると、基礎控除が48万円であるため、103万円以下であれば、
所得税が課税されないこととなります。

 これに対し、住民税は課税標準の合計額が48万円以下であったとしても、住民税での基礎控除が43万円であるため、
年収が103万円であっても、所得税と住民税の基礎控除に差があるため、課税所得金額が生じてしまうこととなります。
ただし、住民税には非課税限度額が設けられており、お住いの自治体によって変動はありますが、多くは45万円が
非課税限度額となっていますので、年収100万円までであれば住民税がかからない仕組みとなっております。

 最低賃金の見直し等により、毎月もらう給与が増えている方は注意が必要となります。年末で慌てる前に一度ご検討ください。

京都本部 谷田


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