2月に入り確定申告の準備を始めておられる方も多いのではないかと思います。
今回は2024年提出の令和5年分確定申告について、従来からの変更点を5つお伝えさせていただきます。
①納税地の移動、変更の届け出が不要に
令和4年度の税制改正で、納税義務者が納税地を移動または変更した場合の手続きが見直されました。
これにより、令和5年1月1日以降は、所得税や消費税の納税地を異動・変更する際の届出書の提出が不要になりました。
異動又は変更がある場合は、第1表の確定申告書の住所(居所・事業所)欄に変更後の納税地を記載すればよいこととなります。
なお、納税地の変更等をした人で、振替納税を利用していた場合は、住所欄の下の『振替継続希望』欄にチェックを忘れないようにしましょう。
②扶養控除対象の要件
令和4年分までは扶養親族が国外に居住している場合、「親族関係書類」及び「送金関係書類」の添付をすることで
扶養控除や配偶者控除の対象とすることができました。令和5年からは扶養控除の要件が厳しくなり、
30歳~69歳までの国外居住親族については、原則として扶養控除の対象から外れます。
ただし、30歳~69歳までの親族であっても①留学生、②障害者、③年38万円以上の生活費等の送金を受けている者、のいずれかに該当する場合は扶養控除の対象となります。
③上場株式等の配当の申告方法の統一化
上場株式等の配当の課税方法には、確定申告不要、総合課税、申告分離課税の3つがあり、納税者が選択できます。
令和4年分までは、所得税と住民税で異なる申告方法を選択することができました。
令和5年分から、上場株式などの配当所得や譲渡所得、特定公社債などの利子所得についての課税方式が所得税と個人住民税で統一されることになり、異なる課税方式を選択することはできなくなります。
④特定非常災害に係る損失の繰越期間
災害等による損失について、生活用動産の損失は雑損失としてその年の所得の金額から差し引くことができ、引ききれない場合は3年間繰り越して、翌年以後の所得から差し引くことができます。
令和5年4月以後に特定非常災害に指定された災害による損失は、5年間の繰越控除となりました。
⑤財産債務調書の提出期限の延長
10億円以上の財産のある人や、合計所得金額が2,000万円を超えている人のうち3億円以上の財産のある人は、財産と債務の明細を記載した財産債務調書を提出しなければなりません。
令和4年分までは、提出期限が翌年3月15日までとなっていましたが、令和5年分以後は、提出期限が翌年6月30日(令和5年分は令和6年(2024年)6月30日)までとなります。
確定申告の時期は、「毎年2月16日~3月15日」となっております。
ぎりぎりになって焦らないよう今のうちに準備を進めておきましょう。
京都本部 秋山