優和スタッフブログ

ねんきん定期便

「社会保険庁から何やら書類が届いているから見てくれない?」
今年で69歳になられた担当先の社長のところを訪ねてみると、届いていたのは「ねんきん定期便」だった。これまでの年金加入記録の確認のために、社会保険庁が定期的に送付してくれる書類だ。開けてみると、そこにはこれまでの年金加入記録が標準報酬月額と保険料納付額という形で月別に記載されている。記録は昭和39年、社長がまだ23歳の若いお嬢様だった時から始まり、A4サイズの用紙4枚にわたって全く途切れることなく記されている。
「よくここまで調べたわよねぇ」
社長は感心したような呆れたような口調でおっしゃるけれど、僕は迂闊にも感動してしまっていてすぐに返答ができないでいた。
「こんなの合ってるか違ってるかって言われてもねぇ」
それは僕も同感だ。確かにそこまで古い資料がある筈もなく、せいぜい直近数年間分の賃金台帳を確認する程度しかできない。
でも「ねんきん定期便」の本来の目的とは違ったところで話が弾んでいった。亡くなられた先代の社長のところにお嫁に来てからしばらくは無給で働いたこと、しばらくして当時の大卒初任給並みのお給料をもらい始めたこと、お店がどんどん儲かって従業員をたくさん雇っていた頃のこと、たくさんの思い出話に花が咲いた。
先代の社長が亡くなったのを機に長く地元で愛されたお店をたたみ、今は建物を賃貸して社長が一人で会社を守っておられる。
人が働くところには様々なドラマがある。そんなドラマをごく近しいところでサポートできるこの仕事には責任が伴うと同時に大きな魅力があると思う。何年やっても進歩しない自分に時々嫌気がさしたりもするけれど、前向きに成長していければいいかと思う今日この頃でした。
松山本部 坂野


アーカイブArchives
ページ上部へ戻る