コッペパンが好きだ。そう、パンに真横から切り目を入れてジャムとマーガリンをはさんだだけのいたってシンプルなあのパンが。たいていのコンビニに置いてある。他のパンが売り切れてしまっていてもいつも売れ残っている。新商品とかポイントのシールとかが貼ってある商品たちを横目にして、たいていは陳列棚の下のほうの段の目立たないところで買い手が来るのを待っている。こんなパンを買うのは僕ぐらいだろうな、と思いつつも、いまだに姿を消さないところを見ると、意外と買い手はいるのかもしれない。たとえカレーパンの具が多くなっても、メロンパンがマスクメロンパンに変わっても、何も変わらない。ふと包みを見たら「超ロングセラー商品」と書かれていた。他に書くこともないのだろう。そう言えば7、8年も前にある人から、「健ちゃん(僕のこと)は個性がないっていう物凄く強烈な個性の持ち主だよね」って言われたことがある。今思えば自分もコッペパンみたいなものかな(笑)。取り柄はなくても長く人に好かれる人になれたらいいと思う今日この頃でした。
松山本部 坂野