◆事業経営に必須の条件
◆22年の勝ち組
◆ゼネラリストより専門家をリーダーに
https://www.yu-wa.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/04/keieisha_1253.pdf
本日3月15日は令和3年分の所得税の納付期限日です。納税者の皆様、申告書作成作業に携わった方々お疲様です。
今回は土地や株式の譲渡所得の申告が例年より多かったように思います。
その譲渡所得は、土地や建物を売った金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費には、土地や建物の購入代金、建築代金、仲介手数料、登録免許税などがありますが、
相続税の一部を取得費に加算することもできます。
この取扱いを相続税の取得費加算の特例といい、亡くなった日から3年10ヵ月以内に相続したものを売却した場合には、所得税の負担を少なくしましょうという制度です。つまり取得費が増えれば、売却収入から控除できる部分が増えますのでその分、譲渡所得が減り所得税も減ります。
具体的には、2億円の財産を相続し、相続税を2,000万円支払った人が、相続財産の半分の1億円を売却すると相続税の半分の1,000万円を取得費に加算することができて譲渡所得が減りますので、税率が20.315%ならば1,000万円×20.315%=2,031,500円の節税となります。
この取得費加算の主な要件は
です。
ただし注意点もあります。
この特例は譲渡した資産ごとに計算しますので、譲渡益のある資産にしか適用できません。
そのため例えば相続した複数の上場株式を売却した場合、売却益の出た上場株式分の取得費しか加算できません。
また、譲渡財産の売却益以上に取得費加算をすることはできません。
さらに、代償金などを支払って取得した不動産を売却した場合、取得費に加算できる金額が減少し、その効果が減殺してしまう等のケースもあります。 上記のようなトラップ(?)が多い取得費加算の特例ですが、適用に当たっては是非税理士法人優和までご相談下さい。
埼玉本部 瀬島
今回は、遺産相続において被相続人の事業を承継する場合の申請届出関係について、特に提出期限のあるものについてまとめてみました。
所得税
・青色申告承認申請書
被相続人が青色申告者の場合(死亡日がその年の1月1日から8月31日)は、死亡日から4カ月以内の申請
被相続人が青色申告者の場合(死亡日がその年の9月1日から10月31日)は、その年の12月31日までに申請
被相続人が青色申告者の場合(死亡日がその年の11月1日から12月31日)は、翌年2月15日までに申請
被相続人が白色申告者の場合(その年の1月16日以後に事業を承継した場合)は、業務を承継した日から2カ月以内の申請
消費税及び地方消費税
・消費税簡易課税制度選択届出書
この前段階でそもそも事業を承継した相続人に納税義務があるかどうかの判定が必要となります。その判定方法は被相続人が亡くなられた年の前々年の課税売上高から事業を承継した相続人の法定相続分割合で割った金額で判断することとなります。
例えば被相続人の前々年の課税売上高が3000万で事業を承継する相続人の法定相続分割合が1/4の場合
3000万×1/4=750万となり、1000万円を下回りますので事業を承継した相続人のこの年の納税義務はありません。
亡くなった年に遺産分割がまとまらなかった場合は、さらにもう一年同様の取り扱いとなります。となると、被相続人の課税売上高が例年3000万近くあったものを承継したとしても2年間免税となります。
このような取り扱いは大阪国税局文書回答(平成27年3月24日付)以降、通説となっております。
ちなみに課税事業者となる場合の簡易課税選択届の期限は、通常は課税事業者となる年の前年12月31日までですが、相続発生が12月中の場合、特例として翌年2月末までとなります。簡易課税を選択するほうが有利な場合提出期限に注意が必要となります。
埼玉本部 菅 琢嗣