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先日顧客からいただいた資料で百貨店からの支払明細書をもらいました。 取引の流れを伺った際は売上から賃料等が差し引かれて入金されるとのことだったので、その通りに処理をしようかと思いましたが、明細には賃料などの文言が見当たらず疑問に思っていると最後の方に「売上仕入方式」(消化仕入方式)との記載がありました。 契約内容としては商品販売契約に該当し、百貨店側としてはあくまで小売店舗に陳列されている商品は仕入業者(テナント)が保有しており、販売された時点で売上と仕入を認識するというものです。 この際に収益の計上がどのようになってくるかが問題になり、今までは消費者に売り上げた総額を売上高として計上する処理が一般的でしたが、収益認識基準を適用すると売上から仕入を差し引いた純額表示になり売上高が大幅に減少する可能性があります。 総額表示か純額表示かは顧客へ売り上げる前に商品の支払いが移転しているかや 以下の3つの指標に当てはまるか否かで本人取引(総額表示)、代理人取引(純額表示)に分かれます。 ・約束の履行に対して主たる責任を有している ・在庫リスクを有している ・価格の設定において裁量権を有している 上記に該当しない場合は代理人とされ、商品の販売代金と仕入代金の差額を手数料収入として計上することになります。 このように利益は変わりませんが損益計算書に与える影響はだいぶ大きいものと思われます。 この収益認識基準の適用は2021年4月1日以降開始する会計年度からとなっています。 また、テナント側としては百貨店等との商品販売契約においては消費税の事業区分の判定が卸売に該当することになりますので、簡易課税事業者は注意が必要です。 東京本部 有本
先日顧客からいただいた資料で百貨店からの支払明細書をもらいました。
取引の流れを伺った際は売上から賃料等が差し引かれて入金されるとのことだったので、その通りに処理をしようかと思いましたが、明細には賃料などの文言が見当たらず疑問に思っていると最後の方に「売上仕入方式」(消化仕入方式)との記載がありました。
契約内容としては商品販売契約に該当し、百貨店側としてはあくまで小売店舗に陳列されている商品は仕入業者(テナント)が保有しており、販売された時点で売上と仕入を認識するというものです。
この際に収益の計上がどのようになってくるかが問題になり、今までは消費者に売り上げた総額を売上高として計上する処理が一般的でしたが、収益認識基準を適用すると売上から仕入を差し引いた純額表示になり売上高が大幅に減少する可能性があります。
総額表示か純額表示かは顧客へ売り上げる前に商品の支払いが移転しているかや
以下の3つの指標に当てはまるか否かで本人取引(総額表示)、代理人取引(純額表示)に分かれます。
・約束の履行に対して主たる責任を有している
・在庫リスクを有している
・価格の設定において裁量権を有している
上記に該当しない場合は代理人とされ、商品の販売代金と仕入代金の差額を手数料収入として計上することになります。
このように利益は変わりませんが損益計算書に与える影響はだいぶ大きいものと思われます。
この収益認識基準の適用は2021年4月1日以降開始する会計年度からとなっています。
また、テナント側としては百貨店等との商品販売契約においては消費税の事業区分の判定が卸売に該当することになりますので、簡易課税事業者は注意が必要です。
東京本部 有本
最近になってコロナ感染者が急激に増加していることもあり、以前のようにテレワーク・時差出勤の推進等に伴い、通常業務に遅延が生じている会社も多いことかと思います。
御存知の通り役員報酬については通常株主総会の決議を経て決定されるものですが、その株主総会の招集・決議を実行することすら難しい状況が続いていくことが今後予想されます。そこで、株主総会が大幅に延期した場合の役員給与の損金算入について、また、事前確定届出給与についてご案内したいと思います。
役員報酬のうち損金算入ができるものの一つとして挙げられている定期同額給与は、その要件のひとつに、「通常改定」によるものは、会計期間開始の日から3月を経過する日までにその改定を行うこととされています。
これに加えて、3月経過日等後になってしまった場合には「特別の事情があると認められる場合」には、その改定は認められるとされています。
今回のように大幅に株主総会の開催が遅れた場合などの取り扱いについては、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取り扱いに関するFAQ」において、情報として公表されています。
そのFAQによれば、「このような状況(=新型コロナウイルス感染症の影響による定時株主総会の開催時期の延期)により、定時株主総会に合わせて継続して毎年所定の時期にされる役員給与の通常改定が3月経過日等後に行われる場合には、自己の都合によらない「特別の事業があると認められる場合」に該当し、定期同額給与の通常改定の時期の要件を満たすことになります。」と説明されています。
次に事前確定届出給与については、「提出期限」は、原則として、株主総会等の決議により事前確定給与の定めをした場合における当該決議の日から1月を経過する日とされ、同日が当該開始日の属する会計期間開始の日から4月を経過する日後である場合には、当該4月経過日等とされています。
今回のように株主総会の開催時期が遅れる場合については、経済産業省からのペーパーにはなりますが、「新型コロナウイルスの影響により株主総会の延期等を行う場合の役員給与の損金算入について」において公表されています。そのペーパーによれば、今回のケースは国税通則法第11条の個別延長と対象となるので、届け出期限の延長が認められますと案内されています。
コロナウイルスの影響により、通常とは違う事案が発生することが多くなるとは思いますが、税務上確認したいことがあれば、ぜひ税理士法人優和までご相談下さい。
東京本部 木村