税理士法人優和の全国のスタッフが交代で、会計・税務に関する役立つ情報を提供しています。
やっとのような、これからのような、新しい時代への流れを感じる改正が本年より施行となります。
未婚のひとり親の所得控除の創設と寡夫控除の見直しについてです。
◆未婚のひとり親の所得控除の創設
令和2年分の所得税からは、未婚のひとり親であっても、以下の要件をすべて満たす場合には35万円の所得控除を受けられるようになりました。
1.生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)がいる
2.合計所得金額が500万円以下である
3.住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がない
◆従来の寡婦(寡夫)控除の改正
・寡婦控除の場合にも、合計所得金額500万円以下の要件を追加
・住民票に事実婚の夫(もしくは妻)がいる旨の記載がないことの要件を追加
・生計を一にする子がいる寡婦(寡夫)とともに35万円の所得控除に統一
これまで、離婚や死別等によるひとり親には「寡婦(寡夫)控除」という制度があるものの、婚姻歴のないひとり親に対しての税制上における支援はありませんでした。
また、寡婦(寡夫)控除に関しても、寡婦(女性)と寡夫(男性)との、要件の違いから不公平感が指摘されてきました。
そうした境遇や性別による不利益は、親だけではなく子どもにも及ぶ問題であるとして、以前より多くの声があがるなかでの改正となりました。
多様化し、様々な価値観が認められる社会へと移り変わっていくなかで、税制も複雑となる部分もありますが、今回の改正が多くの人にとって安心し生活できるような社会へと繋がる第一歩となることを願います。
茨城本部 渡辺
昨今、巷を賑わせているふるさと納税を利用した方は多いと思います。
ふるさと納税は、所得に応じた限度額の範囲内であれば、手数料の2,000円の自己負担はあるが、納税金額が翌年の住民税からダイレクトに控除され、かつ基本的に納税額の30%の返礼品を受け取れる大変お得感の高い納税制度であると思われます。
今では多くの通販サイトがふるさと納税を利用しており、返礼品の品揃えだけではなく、納税金額まで幅広く設定されています。中には100万円を超えるふるさと納税もあるようです。
しかし、このふるさと納税の返礼品は確定申告時の一時所得の対象になることをご存知でしょうか?
一時所得の申告の対象は原則50万円を超えた場合には必要になります。
高額所得者が限度額いっぱいまでふるさと納税をした結果、返礼品の合計金額が50万円を超えるなんてことも・・・
この50万円の基準は何で決めるかというと、ショッピングサイトや市場で取引されている価格で判断することになります。
返礼品の多くは何かしらの形式で売買取引されているものなので、大まかな金額は推定できると思います。
また、高額所得者に限らず、懸賞で高額商品に当選された方もその懸賞品は一時所得の対象になるので、同年にふるさと納税の返礼品を受け取った方は合計すれば50万円を超えてしまい、確定申告時期に一時所得の申告が必要になることも考えられます。
なので、高額所得者や高額の懸賞に当選された方、あるいは何らかの形で一時所得の対象に該当する物がある場合は、返礼品とその他の合計が50万円になるかどうかを念頭に入れることが必要になると思います。
もし、50万円を超えそうな場合には返礼品の受け取りを翌年にずらしてもらう等の対策が必要と考えられます。
茨城本部 大河原