昨年12月、2020年度税制改正を議論する会合に訪れた議員秘書らから、紙の資料がない事に対して困惑の声があがったそうです。税制面でも電子申告や証憑のデジタル保存など、常に変化を続けています。そんな中、2020年度の税制改正大綱が発表されました。
海外不動産への投資を通じての節税の制約など、高所得者には負担が増加していますが、。全体的には増税項目を抑えつつ、確定拠出年金(DC)や少額投資非課税制度(NISA)といった長寿社会に備えた資産づくりの拡充策も盛り込まれています。
個人型DC(イデコ)とNISA(少額投資非課税制度)の両制度を比較検討してみたいと思います。
NISAは2014年に始めた個人投資家を対象とする少額投資の非課税制度で、日本に住む20歳以上の方が、株式や投資信託によって得た運用益(売却益、譲渡益、分配金等)が非課税になる制度で、新規に投資できる期間や投資対象商品等によって、「一般NISA」と「つみたてNISA」に分類されます(なお、ジュニアNISAは投資期間が2023年で廃止予定)。
「つみたてNISA」は低リスク商品に投資を限定するもので、投資初心者でも選びやすい商品となっています。
イデコとの比較でいえば、イデコが原則60歳まで引き出しができない一方で、NISAはいつでも引き出すことができるため、柔軟に資金計画を立てることができます。また、口座開設や維持費も、つみたてNISAは無料です。
一方で、イデコは拠出金が所得控除の対象とされ、所得税が優遇される一方で、つみたてNISAは、所得控除の適用はありません。また、つみたてNISAであっても、利益保証をしているわけではないことには留意が必要です。
以上のメリット・デメリットを比較して、今後の資産形成の参考にしてみてはいかがでしょうか。
京都本部 坂口