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2019年7月1日より民法改正の一つで特別寄与料の請求権の条文が施行されます。
その中で被相続人への『療養看護その他の労務の提供』をした場合には相続人でなくても寄与分が認められるようになりました。
まず、寄与とは、特定の相続人に認められるもので、被相続人への無償の療養介護や家業の手伝いなどを行った場合に、相続分に加算して財産を受け取ることができるものでした。
しかし、これはあくまで相続人に該当する人物に限定され、実際に介護を行っていたりする被相続人の子の配偶者などには寄与分が認められていなかったという背景があります。
今回新たに施行された特別寄与者は被相続人の相続人でない親族と定められています。親族とは、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族であり、子の配偶者はこの中に含まれます。これにより子の配偶者も相続財産を遺贈される権利が認められるようになりました。
相続税の計算においては、特別寄与者に特別寄与料を支払った相続人は、相続税を計算する上で相続財産の価格から支払った特別寄与料を控除することができます。
対して、特別寄与料の額が確定したことにより新たに相続税の納税義務が生じた人は、その事由発生を知った日から10ヶ月以内に相続税の申告が必要となります。
また、特別寄与料を受け取る人は相続税額の2割加算の規定に該当するため本来の相続税に2割加えた金額を納める必要がありますので注意が必要です。
民法改正に伴い、相続税法も変化しておりますので相続の際には是非一度税理士法人優和までご連絡ください。
京都本部 近藤
「少子高齢化」という言葉が使われるようになってから久しいですが
これに伴って、様々な歪みが予想されています。
労働力の減少、税収の減少、介護人員の不足、年金問題など様々ですが
その中の一つに「空き家問題」があります。
全国の空き家は2019年4月の時点で約846万戸あるそうです。
今後、日本の人口減少に伴い2033年には2,000万戸を超えると言われています。
つまり全住宅の3戸に1戸が空き家になってしまうということです。
そこで創設された対策の一つが、いわゆる「相続の空き家特例」です。
以前より、自分が居住用としていた不動産を売却した場合には
売却益から3,000万円を控除して税金計算ができるという制度があります。
この制度を充実させて、要件を拡大したものがこの特例です。
つまり、亡くなった方の居住用の不動産を相続で取得した場合、それを売却した場合でも、
売却益から3000万円を控除できるようにしました。
この制度により、多額の税金の心配をしなくても、相続した居住用不動産を売却することが可能となりました。
この特例は、相続の日から3年目の年末までに売却することが要件の一つになっていますので
売却に踏ん切りがつかなかったご遺族も、背中を押される形になっているようです。
みなさんの周りにも、最近、更地になって売りに出されている土地が多くありませんか?
この「相続の空き家特例」には、
居住用家屋に関しては、昭和56年5月31日以前に建築された建物であり、耐震基準や住宅性能評価が取得できる状態であるものとの要件が付されています。
土地に関しては、 上記の居住用家屋の敷地であること又は上記家屋を取壊し後の土地であることとなっています。
つまり、家が建っている状態であれば、耐震補強などしっかりと整備されたものでなければいけないため、
家を取り壊して更地にした状態で売りに出しているものと思われます。
不動産屋も積極的にこの特例の活用を推進しているようです。
生まれ育ったご実家を取り壊すことは、簡単には決断しづらいことではあります。
が、利用できる制度は利用できる間にうまく活用するのも一案でしょう。
特例の適用には、期限や様々な要件があります。検討されたい方は、税理士法人優和までご相談ください。
京都本部 吉川