昨年の2月に「中小企業の会計に関する基本要領」というものが発表されました。これは、中小企業の会計に関する検討会(事務局:中小企業庁、金融庁)が、中小企業の実態に配慮し、多くの中小企業で利用可能な会計処理方法として策定した中小企業向けの会計ルールです。
かねてより上場している大手企業に比べ、中小企業の決算書については、その表示区分等に対して拘束力が弱く、比較可能性の観点から問題点があるとの指摘がありました。
特に金融機関では、融資する際の評価基準として、もちろん決算書の内容を重視するものの、例えば本来固定資産に該当するものが流動資産に計上されていたりと、会社の適正な評価がしにくい状況でありました。
従来より「中小企業の会計に関する指針」というものが存在しておりましたが、中小企業への反応は鈍く、とある金融機関の融資担当者からは、ひどい時は融資を有利に運ぶために、実際には内容を理解せず、適用していないにもかかわらず、「適用している」と明記することもあるという話もよく聞きます。
では、何故、そのような状況に陥っていたのか。その大きな原因として中小企業の決算書を作成する税理士側に問題点があることも多いようです。
中小企業の決算書は基本的に顧問税理士が作成することが大半であると思います。しかし、未だ多くの税理士が決算書を税務署のために作成することに重点を置いていることが現状です。
本来、決算書とは会社の適正な財政状態及び経営成績を株主や利害関係者に開示するために作成するものです。会社を経営した結果が明確に数値化されていない決算書に果たしてどのような意味があるのでしょうか。
当社、税理士法人優和では、このような問題点が発生する以前から決算書の重要性をお客様に説明し、適用指針や基本要領といった基準ができても既にそのルールにのっとている決算書を作成しております。
「あなたの会社の決算書は大丈夫ですか。」
会社の決算書の内容に不安をお持ちの方がおられましたら、ぜひ、当社、税理士法人優和に決算書の診断をさせてください。
なお、普及活動の一環として、税理士又は税理士法人からその準拠を確認するチェックリスト等が提出された場合において、信用保証協会の保証料率の割引が認められる制度もはじまっているようです。
この機会にぜひ、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
京都本部 太田芳樹
決算期の変更をする企業が増えているようです。
IFRS導入という大企業特有の事情もあるのでしょうが中小企業にとっても、ちょっと考えてみる価値はあります。
国税庁の統計年報から見ると 約20%が3月、次に多いのは9月の約11%、これに12月、6月と続きます。
昔は、税務署の異動の時期がいいという都市伝説もありました。
会計事務所が3月はまじ勘弁といってくることもあるでしょう。
3月決算なら、税法改正を最初に受ける可能性が高くなります。
減税ならいいのですが、増税なら逆に早く適用されることにもなります。
理想的には、売上の多い、もしくは利益の多い月の前になります。
なぜか?
それは、もっとも多く入ってくるお金が納税に消えるのではなく少なくとも1年間は投資に回せる、または、売上の少ない月の資金繰りに回せるからです。
年間を通しての利益や納税は出るのに、なんとなく銀行借入が増える、返せてない ということはありませんか。
電卓上では、それで借入が増えるのはおかしいとなりますが気持ちや保険の部分もあるので、一定期間 資金繰りが良くないと返済はできないものです。 あれば使うし。
季節変動の大きい業種は一考の価値ありです。
決算月の変更は
・株主総会の特別決議
・定款の事業年度を変更
・税務署等の行政機関への異動届出書の提出
以上になります。
事業年度の変更は登記事項ではないので、法務局の手数料はかかりません。
思い入れやこだわりもありますが、手間だけで見ればハードルは低いようです
京都本部 吉原 順