今から100年前の1908年、ブラジルに向けて、正式な移民としては初めての移民船『笠戸丸』が神戸港を出発致しました。
1888年にブラジルが奴隷制度を廃止し、コーヒー農園等での労働力不足を補う為に、海外からの移民を積極的に受け入れている中、アメリカへの移民を締め出されていた日本の商社との思惑が一致し、移民がスタート致しました。
「夢と希望を求めて新天地へ」と言えば聞こえはいいですが、第1回移民の791名のうち自由移民は10名程度で、残りは沖縄出身が大半を占める契約移民だったということです。現地ではその大半がジャングルでの生活であり、厳しい生活環境でありました。
そもそも「奴隷並みの環境」と呼ばれ、ヨーロッパ諸国がブラジルへの移民を停止したことが、日系移民を受け入れるきっかけになったとも言われています。最近、その笠戸丸にのってやってきた移民の6世の男の子が話題にもなっておりましたが、現在では約150万人の日系ブラジル人がいるそうです。
京都本部 太田芳樹