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マンション業者は法律家?

不動産に関する法律は調べるほどに深みにはまります。
建築基準法、都市計画法、土地区画整理法、都市緑地法あたりが一般的ですが道路、農地、森林、河川、公園、港湾関係でも多くの法律があります。
特に都市計画法は非常に大きな法律で、普段耳にする市街化地域・市街化調整区域や用途地域と言われるものも入ります。他にはビルの高さが揃えられているのは美観地区、風俗営業等が禁止されたりするものに文教地区、良好な住環境を維持するための風致地区などさまざまな規制があります。
風致地区は、全国の都道府県が制定しますが、京都市のほぼ全域に見られ、京都府はダントツの広さです。というか京都市だけで1位です。加えて京都市伝統的建造物群保存地区条例、古都保存法、歴風特別保存地区、そして最近制定された新景観条例があります。
新景観条例はいくつかの条例からなりますが、影響が大きいのは中心地の通称「田の字」地区をはじめとする多くの市街化地域で高さ制限が45メートルから31メートルに制限されます。
マンションの多くが、一転違法建築となったわけです。
マンションはいつか建て直すときがきますが、そのとき31メートルから上に住む人の権利はどうなるのか。まだ決まっていません。
購入者がローンを組めるのか? ある意味眺望保証なので有利では?  など、将来の価値をめぐって
いろいろな話がありますが、中心地の眺望の良いものは値上がり、それ以外は全体的に値下がりを始めています。
そして、さらに広く制限するのが眺望制限です。京都市内38ヶ所を「視点場」に指定して、そこからの眺望や借景を守るもので一体どの眺望を悪化させているのか、当事者でもわからないくらいです。
私が毎日、通勤で通る円通寺は比叡山の借景で有名ですが、ぎりぎりまで開発されてますのでもう少し早ければと思います。
とはいえ、多くの京都市民は京都駅ビルを作ったあとにだす条例か? と思っていたりもします。
しかし、京都に住む人間としてはここら辺で厳しくしなければ、古都とは呼べなくなるぎりぎりまで来ていると感じるのも事実です。
あと京都でわすれてならないのが文化財保護条例です。どの都道府県にもありますが、京都の場合、平安京跡地にあたるので埋蔵物が影響してきます。不動産を購入したり、ビルを建て直したりするとき、すでに埋蔵物調査が行われた物件かどうかは大きく影響します。埋蔵物調査は購入者の費用負担で行われるため「鉛筆1本も請求された」「1年建築が遅れた」などお客さんから聞くこともあります。
 
それに加えて、文化庁による指定、世界遺産による指定と、京都でマンション等を建てる業者を今までは建築業者として見てきましたが、いったん、これら数々の条例の存在を知り、市役所の中をたらい回しにされてみると法律家のように見えてしまう今日このごろです。
京都本部 吉原


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