とある会社の帳簿を拝見していたところ福利厚生費に「背広」と記載されておりました。
金額は1着10数万円。
私:「社長、背広は福利厚生費に該当しません。このままだと現物給与扱いになりますよ。」
社長:「従業員の制服は福利厚生費だろ?背広は俺(社長)の制服だ」
一瞬なんとなく説得力のある抗弁(個人的には名言なんですが・・・)のように思われますが税務の世界はそう甘くないのです。
制服に限らず、給与所得者が会社から何らかの経済的利益を受けた場合、給与と同様に課税されることとなるのですが、制服に関しては確かに服を会社から無料で支給されている事実だけ見ると経済的利益を受けているように思えますが、それは職務上致し方なく着ているだけのいわゆる反射的利益と呼ばれるものであり、このようなものについては非課税所得にあたります。
では、そもそも制服の定義はというと「ある集団に属する人(学生、警察官など)が着るように定められた服装」とされており税務の考え方としても「それを着用する者がそれにより一見して特定の職員又は特定雇用主の従業員であることが判別できるものであること」とされ、その服が非課税扱いとされるためには①私服として利用できないような服②全員同じ服という要件も明示されております。
であるとするならば「社長の制服」たる背広は、私用にも利用できるし(個人的にはプライベートで着ることはないが・・・)他の人と同じ服ではないことから、やはり税務上は現物給与扱いとならざるを得ないと解釈されます。
もし、これを従業員の制服作業服と同様に福利厚生費としたいのであれば例えば役員全員同じ背広で胸ポケットの辺りには会社名と本人の名前でも刺繍されているくらいであれば認められると思うのですが・・・。
埼玉本部 菅 琢嗣
法人税においては役員給与の取扱い及び役員の範囲について問題になることが多いため、今回はこの点について検討していきたいと思います。
(1)役員給与の取扱いついて
役員給与については、①定期同額給与 ②事前確定届出給与 ③業績連動給与のいずれかに該当しなければ損金の額に算入されません。今回は、定期同額給与及び事前確定届出給与についてその内容及び要件について説明したいと思います。
①定期同額給与
定期給与でその事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの、その他これ準ずるものをいいます。定期給与とは、その支給額時期が1月以下の一定の期間ごとである給与をいい、毎月支給する報酬が該当します。
ただし、期中に支給額が増減する場合であっても、定時株主総会等の決議により期首から3カ月以内に役員報酬が改定される場合や、役員の職務の内容が大幅に変更する場合や、経営状況が著しく悪化してやむを得ず減額する場合など、一定の理由に該当する場合には、定期同額給与に該当します。
➁事前確定届出給与
事前確定給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭または確定した数の株式・新株予約権などを交付する旨の定めに基づいて支給する給与で、定期同額給与及び業績連動給与のいずれにも該当しないものをいいます。
事前確定給与を損金の額に算入するには、原則として支給時期 支給額を記載した届出書を一定の時期までに所轄税務署長に届け出る必要があります。
(2)役員の範囲について
法人税法上役員とは次の者をいいます。
① 法人の取締役、執行役、会計参与、監査人、理事、監事及び清算人
➁ ①以外の者で次のいずれかに該当する者
1.法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。)以外の者で、その法人の経営に従事しているもの
2.同族会社の使用人のうち、株式の所有割合が一定以上の者
紙面の都合上、株式の所有割合、同族会社の意義等は割愛させていただきます。
役員給与については、損金と認められるためには、様々な要件があります。また、職制上役員でなくても税務上役員とみなされる場合があり、役員とみなされた場合は、給与の支払いに制約があるだけでなく、損金として認められなくなる場合があります。
少しでも疑問・不明な点がありましたら、税理士法人優和までご連絡ください。
東京本部 佐藤芳明
令和4年1月1日より施行される改正電子帳簿保存法は、例えば、法人税法施行規則53~59条や所得税法施行規則56~64条に定められている決算書や総勘定元帳などの保存義務の様に、各税法で原則紙での保存が義務づけられている書類(以下、国税関係帳簿書類)を電子データにより保存することを定めた法律です。
この電子データによる保存については『国税関係帳簿書類のデータ保存』、『国税関係帳簿書類のスキャン保存』、『電子取引情報の保存制度』の3つに大別されます。
まず、多くの事業者に影響を与えうる『電子取引情報の保存制度』ですが、これは事業者が電子取引を行った場合に、その電子取引の取引情報について電子データでの保存を義務付けるものとなります。なお、電子取引とは次の取引です。①EDI取引②インターネットによる取引③電子メールにより取引情報を授受する取引④インターネット上のサイトから取引情報を授受する取引。
例えば、請求書のやりとりを電子メールでPDFファイルとして添付して送付した場合には③の電子取引に該当するため電子データによる保存が必要となります。これまでは、電子メールにより送受信した請求書を紙に出力し保存していた事業者については紙に出力する方法は認められなくなるため混乱することが多くなると考えます。なお、紙で発行または受領した請求書については今まで通り紙での保存が可能です。あくまで、電子データによりやりとりされたものが対象となりますのでご留意ください。
なお、保存の要件については次のイ.~ニ.のいずれかを満たす必要があります。イ.タイムスタンプが付与された電子データの授受であるもの ロ.電子取引データの授受後タイムスタンプを付与(最長2月以内に付与) ハ.訂正削除不可等のシステムを利用した電子取引データの授受及び保存 ニ.電子取引情報の訂正及び削除の防止などを定めた事務処理規定の備え付け。
加えて、その電子取引情報を保存しているパソコンやサーバーの操作マニュアルを備え付けること(関係書類の備付け)や、保存した電子取引情報を見やすく整理しすぐ出力することができること(見読性の確保)や、保存した電子取引情報を検索することができること(検索機能の確保)の要件を満たすことも必要となります。
次に『国税関係帳簿書類のデータ保存』は、貸借対照表、損益計算書、会計帳簿などの国税関係帳簿書類を作成の最初の記録段階から一貫して会計ソフトやパソコンで作成し電子データにより保存することを認めるものです。今までは、電子データで国税関係帳簿書類を保存する場合には税務署に届出が必要でしたが、令和4年1月1日以後は届出をせず保存することが可能となります。
最後の『国税関係帳簿書類のスキャン保存』は、取引先が発行または受領、若しくは自社が発行または受領した契約書、請求書、領収書などの国税関係帳簿書類について、書面による保存に代えてスキャン文書による保存を認められるものとなります。
ここでは、多くの事業者に影響を与えうる『電子取引情報の保存制度』をピックアップして記載しました。『電子取引情報の保存制度』については、上述の様に今後しなければならないと定められておりますが、『国税関係帳簿書類のデータ保存』、『国税関係帳簿書類のスキャン保存』については電子データ保存を認めるものであって今まで通り紙保存は可能です。この制度を活用し紙保存から電子データ保存をお考えの方は税理士法人優和までご相談ください。
東京本部 井上賢亮
長引くコロナ禍の状況下ですが、消費税のインボイス制度の導入が近づいてきました。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は令和5年10月1日以降に導入される制度で、導入後は「適格請求書発行事業者」以外の事業者からの課税仕入れは,原則として仕入税額控除の対象外となります。ただし経過措置として,令和5年10月1日から令和8年9月30日までの3年間は「課税仕入等の税額の80%」を,令和8年10月1日から令和11年9月30日までの3年間は「課税仕入等の税額の50%」を計算に取り込む事ができます。
「適格請求書発行事業者」は納税地の所轄税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、適格請求書を交付することができる事業者として登録を受けた事業者とされます。制度の導入は令和5年10月1日ですが、「適格請求書発行事業者」の登録は、令和3年10月1日から受付が始まります。
また、取引先が「登録事業者」、「未登録事業者」,「免税事業者」のいずれであるかを把握する際、取引先によっては確認しづらいケースもあります。
その時の対処方法として、税務署から「登録通知書」の交付を受けた後、「自社の登録番号」と同時に「取引先の状況の確認依頼書」を同時に送付する方法が考えられます。確認依頼書により、「登録番号」や「免税事業者である場合はその旨」について記載してもらう様、依頼します。これにより,登録を予定している事業者に対しては登録申請を促すとともに,免税事業者の一定の把握につながることが期待できます。
インボイスQ&A問3・4によると、登録申請書を提出してから登録の通知を受けるまでの期間は,「e-Taxで提出した場合は2週間程度」,「書面で提出した場合は1か月程度」と見込まれていますが、申請件数等により通知を受けるまでの期間は変動する事が想定されます。令和3年10月1日以降の早い段階で「適格請求書発行事業者」の登録申請を行うことは,自社の申請漏れを防ぐだけではなく、取引先の状況を早期に把握するためにも必要な手続きとも言えます。
通知文書の内容については,一般社団法人日本加工食品卸協会のインボイス制度対応専門部会が,卸売業各事業者向けに作成した「インボイス制度対応-企業間取引の手引き」の中に「取引先への登録番号の通知とご依頼に関する文書例」をホームページで公開していますので、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。
京都本部 坂口
税制改正により令和4年度からの退職金についての税金計算が一部変わることとなります。
その内容が勤続5年以下の従業員が受け取る退職金の計算となります。
※役員についてはすでに勤続5年以下の方の退職金(特定役員退職手当等)は制限がされております。
その改正内容については
① 短期退職手当等に係る退職所得の金額から退職所得控除後の金額が300万円以下である場合は当該残額の2分の1
➁ ①の金額が300万円を超える場合、150万円とその退職手当等の収入金額から300万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額
文章にするとわかりにくいので計算式で表しますと
①(退職金収入金額 ― 退職所得控除額) × 1/2 = 退職所得金額
➁ 150万円+{退職金収入金額 ― (300万円+退職所得控除額)}=退職所得金額
※ 退職所得控除額は従来通り40万円×勤続年数または80万円のどちらか大きい金額。(勤続年数20年以下)
となります。
結論からすると、300万円を超える退職所得金額については1/2がかけられないため短期離職で受け取る退職金が大きい場合は従業員の方も納税額が増えることとなります。
今年と来年どちらに離職するかで退職金に係る税金が異なる可能性があるので注意が必要です。あくまで退職所得控除をしたあとの金額が300万円を超える場合なのでその点もご留意ください。5年勤務の方は500万円以上退職金を受け取る場合は気を付けてください。
京都本部 近藤
またまたコロナウイルスの勢いが増し、多くの都道府県でまん延防止等重点措置が発令されました。
苦しい日々が続きますね。
そんな中で多少の救いになろうかと思われるのが、災害損失欠損金の繰戻し還付制度です。
・災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度
又は
・災害のあった日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間において、生じた災害損失欠損金額に対応する部分の法人税額を、
前年度(青色申告の場合には前々年度)から繰戻して、還付を受けることができる制度です。
ポイントは、災害損失欠損金額に対応する部分について、ということです。
≪対象となるもの≫
・災害により棚卸資産や固定資産に生じた損失
・感染症の拡大発生を防ぐために購入した備品等の費用飲食業者等の食材、商品の廃棄損
・ウイルス対策による支出
≪対象とならないもの≫
・客足の減少による損失
・休業期間中の人件費等の棚卸資産固定資産に生じた損失と言えないもの
・感染症の拡大・発生を防ぐために直接要した費用とはいえないもの
要件は以下になります。
また通常の欠損金の繰戻還付制度では、青色申告であることを含め一定の条件を満たした法人が対象でしたが、災害損失欠損金の繰戻還付制度においては、青色申告かも問わず災害損失欠損金を有する全ての法人が対象となります。
対象は一例になりますので、これは災害損失といえるのかしら、と分かりにくい部分もあるかと思います。迷われたら、まずはご相談いただければと思います!
頑張って今年の夏も乗りきりましょう~。
えいえいおー!(∩´∀`)∩!
茨城本部 渡邊
新型コロナウィルスにより、政府は緊急事態措置及びまん延防止等重点措置で影響を受けている業者に対する支援金があります。
その中で現在申請可能な支援金について紹介します。
現在国による支援金として月次支援金があります。
月次支援金は中小法人では上限20万円/月、個人事業者では上限10万円/月を支給される制度です。
支給される条件として
① 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けていること
➁ 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が実施された月のうち対象措置の影響を受けて月間売上が2019年または2020年の同じ月と比べて50%以上減少していること
①と②を満たせば、業種/地域を問わず給付対象となり得ます。
但し、地方公共団体による対象月における休業・時短営業の要請に伴う「協力金」の支給対象となっている事業者は対象外になります。
4月分、5月分の申請期間の期限が2021年8月15日までの期限となっていますが、申請する前に必要な登録確認期間での事前確認を受けられるのは8月10日までとなっているので給付対象の事業者は注意が必要です。
また、茨城県でも独自に営業時間短縮要請等関連事業者支援一時金の制度があります。
こちらは2021年4月~6月までを対象期間としており、月間売上が2019年または2020年の同じ月と比べて30%以上減少していた場合には一律20万円が給付される制度です。
支給対象は
① 営業時間短縮要請に協力した飲食店と直接取引がある事業者
➁ 外出自粛要請により直接的な影響を受けた、主に対面で個人向けに商品やサービスを提供する事業者
となっています。
但し茨城県から営業時間短縮要請協力金を受給した飲食店は対象外となります。
また、国の支援金と異なり、国からの支援金を含めた給付金等の対象者でも給付が受けられる、つまり2重取りも可能となっています。
新型コロナウィルスの影響で困窮している事業者は数多くいると思います。今一度状況等を確認し、給付対象になっている事業者はこのような制度をご検討しては如何でしょうか?
茨城本部 大河原
昨今の民法改正にあたり配偶者居住権の創設に注目が集まっておりますが、その他に「特別寄与制度」というものも創設されました。
民法では、今までも「寄与分」という制度が存在しておりましたが、相続人にのみ認められた制度で、「特別の寄与」という被相続人への生前の貢献度についてもただ単に親の面倒を見ただけでは寄与分として認められず、それなりにハードルの高い制度でした。
今回令和元年7月1日より施行となった「特別寄与制度」は相続人の配偶者のような義理の親の介護をしてきたが相続人以外の第三者であるため寄与分の主張ができなかった相続人以外の親族に限定されているところが大きな特徴で、特別の寄与の範囲も無償での「療養看護その他の労務の提供」と限定的に絞られております。
では、この特別寄与料の主張が相続人によって了承された場合の相続税の申告等はどのようになるかというと特別寄与料を取得した者は被相続人より遺贈により取得したものとみなして相続税の計算をすることとなります。
逆に特別寄与料を払った相続人はそれぞれの負担に応じた額が相続税計算上の債務控除の対象となります。
注意点としては家庭裁判所への申立て期限は特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6カ月以内か相続開始の日から1年以内のいずれか早い日となっており、まごまごしているうちに請求できる期間が過ぎてしまうこともあります。
そもそも特別寄与料を請求する時点ですでに揉めていることが想定されます。できることならば生前のうちに特別寄与者となりうる者に遺贈することを遺言書に記載しておくだとか養子縁組、生前贈与、生命保険の受取人に指定するといった方法も検討する余地がありそうです。
埼玉本部 菅 琢嗣
また一つ保険の節税商品が消えてゆくことになります。
令和3年7月1日以後、所得税改正基本通達36-37における保険契約の権利について、低解約返戻金型保険及び復旧することのできる払済保険など解約返戻金の額が著しく低い保険等については名義変更時の評価が名義変更時の「解約返戻金の額」から名義変更時の「資産計上の額」に変わることになります。
いわゆる「名変プラン」と呼ばれるこの節税スキームは保険の契約年数により大幅に解約返戻金の額が変動することに着目したもので、解約返戻金相当額が低く設定されている時期に法人から個人(役員等)へ名義変更し、その後すぐに解約返戻金が大幅に上昇した時点で解約することにより節税メリットがありました。
ここのところ令和元年7月に改正された法人税基本通達9-3-5の2と同様、解約返戻金に着目した節税スキームが矢継ぎ早に封じられた格好となったのです。
以前から課税庁側もこのような法人から個人へ保険商品を名義変更するような節税スキームについては経済的な合理性に乏しいといった議論はあったのですが、通達通りに解釈すると課税上問題がないため、せいぜい「総則6項」の発動を匂わせる程度でした。
それが次第にこのような保険商品の競争が保険会社間で過熱し、保険本来の目的から逸脱してしまうことで課税庁側も看過できなくなったといったところなのでしょう。
ちなみにこのような商品が個人へ名義変更後に相続が発生した場合であっても相続税評価は「解約返戻金相当額」のままで評価されることが認められるようです。
法人から個人へ名義変更し、その後解約返戻金が上昇した時点で解約するという一連のスキームは最初から完結することが前提であるためそれを塞ぐ通達が必要だったのですが、相続の場合、さすがに解約返戻金上昇のタイミングで人の死は予測できないからなのでしょうか・・・。
埼玉本部 菅 琢嗣
少し前に確定申告が終わったので時期外れではありますが、今回は投資信託を保有されている方で疑問に思われたこともあるかもしれない個別元本方式についてです。コロナ禍で一時株価は落ち込みましたが、最近ではあまり関係なく(特にアメリカ)株価は上昇してます。
株については買った時の値段(+手数料)が取得単価になるので特に問題ないかと思います。
投資信託も基本は買った時の金額(+手数料)が取得単価になりますが、分配金(特別分配金)があった場合には注意が必要です。
毎月分配型の投資信託が出始めてしばらくたちますが、毎月分配金が出ていると常に儲かっているようでお得に感じてしまうと思います。しかし毎月分配金を出すには原資が必要です。ファンドが儲けた分から分配金が出るのであればいいですが、毎月儲かっているなんてことはあまりありません。ただし一度決めた分配金は改定するまで決定された金額を投資家に対して支払わなければいけません。
儲かっていない場合はどうするかというと元本を取り崩して支払います。これを通常支払われる「普通分配金」にたいして「特別分配金」といいます。
取引明細を見ていただくと「普通分配金」には税金がかかっていて、「特別分配金」には税金がかかっていないはずです。自分で支払った金額を返してもらうだけなので税金がかからないのです。
そして忘れがちなのが、「特別分配金」(元本返戻金)を受け取った場合は取得単価が再計算されます(他にも追加で購入した場合なども再計算されます)。これを『個別元本方式』といいます。特別分配金を受け取ったら元本の払い戻しがあったことで取得単価が下がります。
昔買った投資信託で基準価額が下がってしまって、最近少し戻ってきたから売ろうと思った時には個別元本がどうなっているかご確認ください。ずっと特別分配金を受け取っていた影響で売却損だと思っていたものが、利益がでて税金がとられることも多くあります。
ほとんどの方は特定口座を開設されていて売却した際に税金等の計算がされるので、確定申告にはあまり関係ないかもしれませんが、証券会社から届く年間取引報告書や残高報告書などはこまめに目を通すのが良さそうです。
興味・質問等ございましたら、ぜひ税理士法人優和までご相談ください。
東京本部 有本